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Twitterでだらだら書いたことをまとめたくなったときに使うブログです(予定)

DISH//がMステに出た日

2020年6月5日。北村匠海くんが「DISH//」の肩書きを持って「ミュージックステーション」に出た。

 

おそらくこの日はDISH//にとって、EBiDANにとって、もしかしたらそのほかのアイドルグループにとって大きな節目の日になる。いつかこの「初めて」の日を振り返ろうと思ったときに、Twitter( https://twitter.com/comoriohmori )でだらだらと書き綴ったことがまとまっていたらいいなと思ったので、ブログにまとめました。ただの自分の覚書のようなものなので、読んでくださる方がいるのであれば、Twitterのタイムラインを眺めるような気持ちで、どうか温かい目でお読みください。

 

最初に言うと、私は今年の始めにDISH//のことを好きになった、とても新規のファンです。なんなら1年半前にジャニーズにハマるまでは、男女問わずアイドルのことはほとんど知りませんでした。というかテレビをほとんど観なかったので、テレビに出てる人のこともそんなに知りませんでした。そんな私でも「DISH//がMステに出るのはすごい」と思えるくらい、「Mステ」と男性アイドルには都市伝説のような噂が巷に広がっていました。

 

それは「ジャニーズ以外の男性アイドルグループはMステに出られない」というもの。

 

この噂は今に始まったことではなく、私の学生時代(ウン十年前)からまことしやかにささやかれており、真偽のほどはわかりませんが、実際に当時で言うとw-inds.なんかもめちゃくちゃ人気があったのに出ていませんでした(当時はDA PUMPも出てなかったかな)。その本当か嘘かはわからないけど本当っぽい確執は、私がMステを観なくなり、時代が令和になっても続いていました。なんならそれをみんな当たり前のように知っていて、仕方なくとは思いつつも、受け入れていたように思います。(悔しい思いをしている人はたくさんいたと思いますが)

 

そしてぐーっと時計の針を進めて、先週2020年5月29日。次週のMステ出演者のラインナップに「北村匠海DISH//)」が並びました。そのとき私は裏番組の金曜ロードショー(「キングダム」。イケメン祭のやつ)を見ていたのですが、その発表を聞いた瞬間「!?」となり、あわててTwitterを開きました。そこには同じく大パニックのスラッシャー(DISH//のファンの呼称)が。私のTLには少ないものの、8号車さん(超特急のファン)やスパドラファンなども驚いていて、とにかくEBiDANファンの皆さんが大騒ぎしていました。

 

こう言ってしまうのもなんですが、たぶんグループとしての人気は超特急のほうがあって(ライブの会場のキャパなどから推測した単なる印象ですが)、超特急ですらMステには出演していない。M!LKの佐野勇斗くんが映画「小さな恋のうた」の劇中バンド・小さな恋のうたバンドとして出演したことはあったのと、おそらく匠海くんも何かのユニットとしてはあるのかな(今回「ソロとしては初出演」と言っていたので。調査不足ですみません)、でもとりあえずみんな自分のグループ名を背負って、自分のグループの曲をパフォーマンスすることは、これまで一度も許されていませんでした。

 

そこに飛び込んできた「北村匠海DISH//)が『猫』を披露」という一文。

 

EBiDANの曲がMステのスタジオでパフォーマンスされる。この事実はEBiDANファン、もしかしたらそのほかのアイドルファンをも驚かせました。

 

そもそもなぜ匠海くんが出演することになったかと言えば。「THE FIRST TAKE」という、アーティストが一発録りでパフォーマンスするYouTubeの企画にDISH//が「DISH//北村匠海)」という名義で参加したことがきっかけでした。動画では匠海くん以外の3人のメンバーが別で収録したアコースティックの音源に乗せて、匠海くんが「猫」を歌唱。この動画がものすごい反響だったのでした(現時点で1700万回超の再生回数)。

youtu.be

 

新型コロナウイルスの影響で、通常の収録スタイルではない、この時期のMステ(いつかこの記事を読み返したときに「あーコロナとかあったねw」と笑えるくらい、コロナウイルスがこわい存在じゃなくなってるといいな)。Mステ出演の直前には、DISH//のメンバー全員の姿と共に「猫」の“THE HOME TAKE”バージョンが、またTHE FIRST TAKEで公開されました。

youtu.be

 

そんな“おうち時間”でできることを模索していた時期であったこと、それに伴い今回の番組はTikTok特集であったことが、きっとリンクして、今回の出演につながったんだと思います。あとは「猫」が、あいみょんさんの提供曲であることもきっと大きい。「猫」自体は2017年リリースのシングル「僕たちがやりました」のカップリング曲。純粋に曲がものすごくいいこともあり、DISH//メンバーはとても大切にしていた曲だそうです。正直、いくらYouTubeで「猫」やDISH//の名前が広まっても、「Mステ」という広くお茶の間の人たちが観るテレビ番組で突然「DISH//」と言われても「?」という人も多い。そんなときに“あいみょん提供曲”というのはすごくフックになる。また俳優としての活躍も目立ち、“北村匠海”の知名度がかなり高くなっていたタイミングであるというのもあると思います(実際、私はDISH//や匠海くんの存在はずっと知っていたけれど、ハマるほど好きになったきっかけは映画「サヨナラまでの30分」でした)。とにかくいろんなタイミングがハマって、この日がやってきたのでした。

 

例の噂。それを覆すのには、DISH//の人気だけでは足らず、「あいみょん提供曲」という肩書きや楽曲の力を足しても足らず、匠海くんの俳優としての活躍だけでも、きっと足りなかった。「THE FIRST TAKE」という企画に大きな反響が集まって、もしかしたら“ステイホーム”というのも影響があったのかもしれない。とにかく努力とタイミングと……いろんなものが合わさってようやく覆すことができたのでした。本当に歴史的な日だったと思います(終了後の配信番組でもメンバーが「快挙だよ」と言っていました。本当にそう思う)。

 

当日、放送前からDISH//ファン、EBiDANファンはそわそわ。DISH//やEBiDANの公式SNSはもちろん、匠海くんが主演を務めた映画の公式Twitterアカウントまでもが応援ツイートをするほどでした。

 

そして21:00。番組がスタートしました。冒頭でタモリさんに話を振られた匠海くんは「単独では初めてです。緊張してます。よろしくお願いします」と挨拶し、その後の番組ではVTRや他のアーティストのパフォーマンスを、少し緊張した面持ちで見つめていました。

 

匠海くんの出番の前には、あいみょんからのコメントが紹介されました。

DISH//に猫の里親になってもらってよかった!楽しんでね

「彼女が一番、“ミュージックステーションで歌えている”ということを喜んでくれていると思います」と、あいみょんの言葉を受け取った匠海くんは、「猫」という曲の反響について

初めてこの曲に出会ったのが19歳くらいのときで、そこから3年経ってずっと大切に歌ってきた楽曲だったので、今22(歳)なんですけど、この歳になってやっとたくさんの人にまた届けられるというのはうれしいことです。

と話していました。

 

アナウンサーの曲紹介に続いて、「猫〜THE FIRST TAKE Ver.〜」の歌唱へ。オレンジ色の照明の中、柔らかなイントロが流れ、匠海くんはマイクをぎゅっと握りしめ、目をそっと閉じて、静かに歌い出しました。スタジオにいるのは匠海くん一人だったけれど、カメラはまるでアコギを弾く昌暉くん、キーボードを弾く柊生くん、カホンを叩く大智くんも写すかのように、広めの画角。メンバーの姿が本当に目に映るようでした。その一方で、匠海くんの声はときどき音が不安定になる場面もあって、「ああ、緊張してるんだなあ」と思わず、こちらも手をぎゅっと握りしめてしまう。だってDISH//どころか、EBiDANで初めてのMステ。それをたった一人で背負わなければいけないんだ。しかも人々が混乱し、音楽を、エンタメを求めている時期に。目をぎゅっとつぶったり、マイクを持っていないほうの手をぐっと握りしめたり、曲が進むにつれて、全身に熱を帯びていく匠海くん。間奏ではメンバーの演奏に身を委ねて、さらにぐっと曲の世界に入り込んでいったようでした。落ちサビを丁寧に歌い上げてラスサビ。ぐっと顔をあげた瞬間からもう表情が全然違った。目の周りは真っ赤で、声もものすごく熱っぽくて荒っぽくて、とにかく感情が爆発している、と思った。ら、ラスサビの一節を歌い終わったあと、曲はまだ続いていたけれどもう匠海くんには歌い続ける冷静さは残っていなかった。「歌詞が飛んだ」と本人も含めて、見ていた人はそう言っていたけれど、私には「歌詞が飛んだ」んじゃなくて、もう歌っていられなかったんだろうと思った。叫び出してしまうんじゃないか、もしくは倒れ込んでしまうんじゃないかとさえ思えるくらい、いろんな感情でいっぱいの匠海くんがそこには立っていて、メンバーによる優しい演奏だけが、静かに流れた。歌い終えた匠海くんは悔しそうな顔をしていた。

 

“譜面通りに歌う”ことが成功なのだとしたら、この匠海くんのパフォーマンスは失敗だけれど、“誰かに届ける”ことが成功なのだとしたら、大成功だ。むしろ音楽の成功は後者にしかなくていいと思う。既存の曲をなぞるんじゃなくて、そのときそこにあった言葉や音を拾っていった、そんな歌だった。

 

その後、匠海くんはTikTokの生配信番組に出演。そしてメンバーとのYouTube生配信番組へ。“北村匠海DISH//)” から“DISH//の匠海”に戻った彼は、ようやく安心したように「ごめーん!」と大きな声で謝ったあと、「もうなんもしゃべれないよ……」と本音をぽろぽろとこぼしていました。ほかの3人はいつも通り明るく匠海くんを迎え入れ、責めるどころか「あのセットであそこまで絵になるのは北村匠海平井堅さんだけだと思う」(柊生)、「今までで一番気持ちこもって聴こえた」(昌暉)、「生歌の良さがめっちゃあった」(大智)と次々に大絶賛。匠海くんは「ファンの皆さんに助けられた」「メンバーの言葉がうれしかった」とすごく素直に話してくれていました。

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Mステのあとに(おそらくリモートだけど)生配信番組があることは、私たちよりも、何よりも匠海くんが一番うれしかったんじゃないかなと思いました。オタクの勝手な妄想かもしれないけれど、匠海くんがすっかり鎧を下ろして、ぐでーっとする姿に嘘偽りはないような気がしました。「今日はよく眠れるか、逆にまったく眠れないかのどっちかだと思う」と話していたけれど(まずは家で一人で一杯ひっかけたいと言っていたな。気持ちわかるよ笑)、もし眠れないのだとしてもそれは興奮冷めやらぬという理由だけで、1ミリも後悔や悔しさがないといいなと思います。できればぐっすり眠ってほしい。

 

Mステの楽屋に、出演した感想を書く紙があるそうで、匠海くんはそこに「4人でリベンジします。また呼んでください」と書いたそう。そのときに「猫」の完全バージョンを歌うもよし、そのときの最新曲を見せつけるもよし。自力で歴史を覆したDISH//の、カッコよくて楽しくて、心震わすパフォーマンスが今から楽しみです。

 

2020年6月5日、新しい時代の幕開け。

私まで眠れないや。

 

 

追伸

ジャニーズがどうという話じゃないので、誤解なきようお願いします。あと確執が本当なのかも私は何も知りません。あくまでも憶測の話。私はジャニーズも好きなので、共存してくれーと思っています。